なぜ血圧が変動する?その原因と運動療法の効果も含めて徹底解説!

血圧

今回は血圧変動の原因と運動療法効果について記載していきたいと思います。

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血圧とは??

血液が動脈血管内を流れているときに示す圧力のことです。本来は上腕部で測定し、心臓が収縮して血液を送り出したときの最大血圧(収縮期血圧)と、弛緩したときの最小血圧(拡張期血圧)とで示します。

つまり、「血管」というパイプのところに血液が流れていて、その流れている血液が内側から血管を押すときに生じる圧力(押す力)のことです。

この押す力に関して、普通は血管壁に対して直角に作用している圧力のことを意味しています。

このことを側圧といいます。

では、どのような要因が血圧を高くさせたり、低くさせたりするのでしょうか。

血圧に影響する因子とは?

血圧を上昇させたり、低下させたりする因子として下記の5つが挙げられます。

  • 心臓の拍出力
  • 動脈血管の血液量
  • 末梢血管の抵抗
  • 血液の粘稠度
  • 血管壁の弾力性

血圧の計算方法

血圧=心拍出量(心拍数 × 一回拍出量) × 末梢血管抵抗

で求めることができます。

つまり、血圧は血液量血管の弾力性で決定されるのです。

血圧上昇の原因とは?

上記でも説明したように血圧は血液量と血管の弾力性で決定されるので、血液量が増加する(心拍出量増加型)か血管の弾力性が低下(血管収縮型)すれば血圧は上昇します。

では、それぞれの要因について記載していきます。

塩分の影響

塩分は高血圧の因子であると一度は聞いたことがあると思います。

塩分は多く摂取すると薄めるために体液量が増加していきます。体液量、つまり血液量が増加するので血圧が上昇していくのです。

腎臓の機能が悪い人で塩分(ナトリウム)を排出しにくければ、塩分が体内に溜まっていきますので、やはり体液量を増加させ血圧が上昇していきます。

肥満の影響

肥満の人では体表面積が大きいので全身に血液を巡らさなければなりません。

そのため、血液量が増大し血圧が上昇していきます。

ストレスの影響

ストレスを感じるということは交感神経が優位に活動しますので、血管を収縮することで血管の弾力性を低下させたり、心拍出量を増大させたりと血圧を上昇させます。

生活習慣病の影響(糖尿病や高脂血症)

糖尿病や高脂血症は血管内皮細胞の障害を引き起こすため、動脈硬化を誘発します。

血管内皮細胞が障害されると、血管の収縮が亢進して弛緩が困難となるので血管の弾力性が低下していくのです。

また、長期的に高血圧状態が継続することで血管自体に構築学的な不可逆的変化が生じてしまい、血圧が高いまま維持(いわゆる高血圧症)してしまうことになります。

年齢の影響

健常な人でも加齢により血管の弾力が失われ、血圧が上昇していきます。

種々のホルモンや物質の影響

血管の弾力を低下させる物質(血管収縮性物質)で一番有名なものとしてレニン・アンジオテンシン系と呼ばれるホルモンがあります。これが増加することで血圧は上昇していきます。他にエンドセリンやトロンボキサン A2 などがあります。

また、血管を拡張させる物質(血管拡張性物質)として、プロスタサイクリンや一酸化窒素などがありますが、これらの物質が減少すると血管は逆に収縮してしまい血圧上昇の一要因となってしまいます。

薬剤の影響

鎮痛剤や免疫抑制薬、ステロイドを服用している人では薬剤誘発性に血圧上昇を招いてしまうこともあります。

レニン – アンジオテンシン – アルドステロン系

腎臓からレニンという物質が分泌され、血液中のアンジオテンシノーゲンからアンジオテンシンⅠという物質を作ります。このアンジオテンシン Ⅰ は肺から産生されるアンジオテンシン変換酵素(ACE)の作用によってアンジオテンシン Ⅱ に変換されます。

アンジオテンシン Ⅱ は血管を収縮させたり、副腎皮質からアルドステロンの分泌を促進させる働きをもっています。

アルドステロンは塩分(Na)を体内に貯留しておく働きがあるため先ほど述べたように体液量が増加していき、血圧は上昇していくのです。

このサイクルのことをレニン-アンジオテンシン-アルドステロン系(RAAS)と言い、血圧上昇後にはレニン分泌は抑制されていきます。

降圧薬の種類と機序

利尿薬、β ブロッカー

心拍出量を軽減させることで、血圧を下げます。

α1 ブロッカー、アンジオテンシン変換酵素阻害薬、Ca 拮抗薬

血管の抵抗性を軽減させることで、血圧を下げます。

血圧低下の要因

まず、臥床すると下半身にある体液(血液)が上半身にシフトしていきます。これが長時間になってくると中心動脈や頸動脈・大動脈弓にある受容器が体液が過剰であると判断して、交感神経を抑制して利尿を促進します。

本来ならば正常である反応ですが、長時間にわたって臥床しているだけであって、決して体液は過剰ではないのにも関わらず、利尿が促進されるので、軽い脱水症状になっていきます。

このような状態で立位など離床をすると、一気に体液が下半身にシフトするので上半身の体液が少なくなり、低血圧状態になります。

これがいわゆる起立性低血圧といわれる病態です。

健常者では一気に体液が下半身にシフトしても下記の受容器により血圧を維持できるようになっています。

心肺圧受容器反射

下半身から心臓へ戻ってくる血液の量、いわゆる静脈還流量が減少すると心臓や肺の圧受容器が反応して、交感神経活動を優位にして血圧を維持させます。

動脈圧受容器反射

血圧が低下すると動脈圧も低下するので、この圧の低下に頸動脈洞や大動脈弓にある圧受容器が反応して、交感神経活動を優位にして血圧を維持させます。

末梢血管・脳化学受容器反射

動脈圧受容器反射でも血圧低下を止めることができない場合に末梢血管や脳にある圧受容器が反応して、交感神経活動を優位にして血圧を維持させます。

Venoarterial reflex

皮膚や骨格筋における静脈の伸張刺激が動脈の収縮を促進させます。

しかし、これらの正常機構が長時間の臥床(いわゆる寝たきり)によって破綻してしまった場合、起立性低血圧の症状が強くなっったり、最悪の場合には意識消失(失神)してしまう恐れもあります。

どのようにリスク管理をすれば良いのか?

アンダーソン・土肥基準(変法)における運動療法の中止基準では

  • 安静時で200/120mmHg以上
  • 運動中に収縮期血圧40mmHg以上もしくは拡張期血圧20mmHg以上 上昇した場合

と定義されています。

ただし、この基準の中に血圧が低下した場合の基準が記載されていないのです。

血圧が高くなることよりも血圧が低くなりすぎてブラックアウトすることの方がリスクがあります。

この基準に記載されていないから、血圧はいくら低くなっても大丈夫と思わないで、顔貌や呼吸数、チアノーゼなどの有無も観察し、適切な診察を細かく実施していくことが重要であると思います。

血圧に対する運動療法の効果とは?

高血圧の場合

有酸素運動やインターバル速歩をすることで、血圧を低くする効果があるといわれています。

荒川1)は、特に有効なのは容量依存型の高血圧であること、その作用機序として生体内の降圧因子(ドパミン、プロスタグランジン E、タウリン)を増やし、昇圧因子(カテコラミン、内因性ヂギタリス様物質、赤血球容積)を減らすという生化学反応を引き起こしていると報告しています。

起立性低血圧の場合

上半身に体液がシフトしており、脱水状態になっていることが考えられるので、まずはベッドから離床させ、下半身へ体液をシフトさせていくことが重要です。

また、正常な反射機構(心肺圧受容器反射、動脈圧受容器反射、末梢血管・脳化学受容器反射、Venoarterial reflex など)が長期的な臥床により破綻している場合には離床→臥床→離床→臥床→…のように繰り返し数分間隔で実施することで、反射機構に刺激を加え、賦活していく必要性があります。

もちろんこの時もこまめなバイタルチェックは怠らないようにします。

今日のリハゴリ

  • 血圧は心拍出量(1回拍出量 x 心拍数)と末梢血管抵抗で決まる。
  • 血圧の低下は生命にとって危険なため、種々の反射によって制御されている。しかし、寝たきりなどで反射が減弱・消失してしまうと低血圧が引き起こされやすくなる。
  • 廃用による低血圧の場合、反射機構を賦活するために刺激を与えていかなければならない。

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