体温上昇が心拍数や呼吸数に与える影響とは?

体温上昇

体温とは熱産生と熱放散のバランスによって決まるので、身体内部の代謝活動を知ることができます。今回は体温上昇が心拍数や呼吸数に与える影響について記載していきたいと思います。

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体温上昇のメカニズムとは?

菌やウイルスが体内に浸入してくると白血球やマクロファージなどの免疫活性食細胞が発熱物質の一つである「サイトカイン」と呼ばれる物質を産生します。

サイトカインは菌やウイルスなどの情報を他の細胞に伝える役割を担っており、体温調節をする視床下部に情報を伝えにいきます。

しかし、脳内にある視床下部に到着する前に血液脳関門( blood-brain barrier:BBB)がありサイトカインはそこからは入ることができないので、プロスタグランジン E2 という物質を放出し、視床下部に伝達させます。

そして、視床下部は身体内部の各部位に体温を上昇させるよう指令を出すことができ、人間の体温は上昇します。

血液脳関門

体温上昇の原因とは?

以下のように6つに大別できます。

  • 感染症
  • 悪性腫瘍
  • 自己免疫疾患
  • アレルギー疾患
  • 薬剤や輸血の副作用
  • 中枢性発熱

体温の基準値は?

体温は低音-高熱まで5段階に大別できます。

  • 低温:36 ℃未満
  • 平熱:36 – 37 ℃
  • 微熱:37 – 38 ℃
  • 中熱:38 – 39 ℃
  • 高熱:39 – 40.5 ℃

このような基準値は存在していますが、人間の体温は個人差があり、一般的に 36.6 ℃ – 37.2 ℃いわれています。

そのため、37 ℃以上の体温であっても平熱になることがあるのです。

そのため、臨床現場では発熱は平熱よりも 1 ℃以上高くなった場合と定義されています。

体温上昇時のリスク管理方法とは?

体温上昇時は細菌や異物に対して身体内部が戦ってる状態なので、酸素や栄養の消費が多く、体力が消耗している状態です。

そのため、酸素や栄養を蓄える必要があり、休息が必要になる場合があります。

ただ常時、休息していれば身体は廃用を引き起こすので、自覚的所見と他覚的所見を診ながら、軽負荷の運動から実施していく必要があります。

38 ℃では安静が最優先になるとの考えもあれば、発熱は離床中止の理由にならないとの考えもあり、意見は様々なため、主治医と相談し、離床の有無を決めていくことが良いと思います。

因みに私の職場では発熱はリハ中止の原因にならないとの考えなので、熱が出ていても運動療法は実施しています。

また、体温上昇時は心拍数や呼吸数も増加するため(後述)運動負荷には注意していく必要があります。

体温上昇が心拍数を増加させる理由とは?

熱が出ると代謝活動が活発になっているのですが、心筋の代謝も亢進します。また、それだけでなく心筋の興奮性も高まるために心拍数は増加するといわれています。

しかし、一般的には熱が出るとアドレナリン分泌や交感神経の興奮性が軽減していき、心拍数は減少していくのですが、上記の心筋代謝や興奮性亢進のほうが有意になるので、心拍数は増加するのです。

体温が 0.5 ℃上がるごとに心拍数は 10 回/分増加するといわれています。

では、40 ℃以上の熱が出ると 30 – 40 回/分も普段より心拍数は増加するのかというとそうではなく、40 ℃付近になると熱により心筋の機能が低下してしまい、逆に心拍数は低下していくのです。

体温上昇が呼吸数を増加させる原因とは?

熱が出ると人間の身体は体温を一定温度に維持をしようと体熱放散作用が働き体温を下げようとします。

【体熱放散作用とは?】
体温に応じて熱放散量を調節し、体温を一定に保つための働きのこと。その働きとして、皮膚の血管拡張、血流増加、発汗、呼吸促進、唾液分泌などがあります。

呼吸促進は気道を通して水分を蒸発させたり、外気との接触による熱伝導を起こしたりすることで、熱の放散を行います。

そのため、体温が上昇すると呼吸数が増加するのです。

これらのことから体温上昇時の運動療法では心拍数や呼吸数をしっかりアセスメントしていく必要があります。

今日のリハゴリ

  • 細菌などが体内に入ってくるとサイトカインがプロスタグランジン E2 と呼ばれる物質を視床下部に伝達することによって体温が上昇する。
  • 体温上昇によって心筋興奮性が高まることによって心拍数が増加する。
  • 体温が上昇すると体熱放散作用が働くことで呼吸数が増加する。

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