理学療法士による暇つぶしブログ

OKCとCKCの違いとは?それぞれの特性を生かした運動療法を解説

定義

Steindler は、OKC とは連動する関節のうち遠位部の関節が自由に動くことができる場合の運動であり、CKC とは遠位部の関節の自由な動きが外力により制限されているような場合の運動であると定義している。

現在の OKC と CKC の使い方として、OKC は非加重位で単関節の動きであり、CKC は荷重位で多関節の動きとしているものが多い。

OKC と CKC の決定的な違い

OKC と CKC での筋の作用の大きな違いは、起始と停止の関係が逆転することである。

起始と停止の逆転は、近位端か遠位端どちらを固定するかということにより起こり、固定筋の作用が重要となる。

関節の固定に関わるのは筋と重心の位置である。

つまり、OKC とCKC で変化するのはその動作の主動作筋の作用ではなく、固定に働く筋の収縮と重心の位置を上手く関節の固定に働くように調節することによって起始部の固定が十分できるかにかかっている。

そのため、OKC だけでなく CKC でトレーニングしないと起始と停止の逆転が上手くできない。特に、OKC での筋力が CKC でうまく発揮されないような場合は固定筋のトレーニングと重心の位置の調節の再学習が必要となる。

OKC でのトレーニングのポイント

OKC でのトレーニングの重要な原則は、「特異性の原則」である。

これは、筋力低下のある患者においては、筋力の発揮しやすい角度、速度、収縮様式でトレーニングを行った方がよいという考えである。

OKC では神経学的因子よりも筋肥大を目的としたトレーニングを行うべきと考えるため、多くの筋線維が収縮に参加する力の出しやすいところで行ったほうがよい。

参考 筋力トレーニングの機序と効率の良い鍛え方とは?

OKC のトレーニングでは患者のトレーニング初期には特異性の逆説でトレーニングし、十分に活動性が上がれば特異性の原則(筋力低下のある角度、速度、収縮様式でトレーニングしたほうが効果的である)に戻ってトレーニングすることも必要である。

特異性の逆説とは、筋力低下のある角度や速度、収縮様式で実施したほうが・・・効果的ではないということ。

(例)膝屈曲 90° で伸展等尺性トレーニングを実施すると痛みを訴え 45° だと痛くない場合、特異性の原則に従うと膝屈曲 90° で実施する必要性がある。

これが特異性の逆説であり、我々は知らずの内に特異性の逆説に従った運動療法を展開している。

CKC でのトレーニングのポイント

CKC では、OKC とは逆に神経学的因子を高めるトレーニング(協調性を高めるトレーニング)が重要であり、特異性の原則に基づいてトレーニングを行う。

また、DYJOC(ディジョック)など求心性の刺激に対する筋の応答のトレーニングも積極的に行うべきである。

DYJOC とは、Dynamic Joint Control training の略称で、『動的関節制御訓練』のことである。

概要として、関節構成体や筋・腱に存在する固有受容器の働きを活性化させ、関節の動的な制御に重要不可欠な神経−運動器の協調性を改善させる訓練のことである。

(例)スクワット、起立・着座運動、バランスボール訓練、タオルギャザーなど

前期高齢者を主眼として

抵抗運動トレーニングは高齢者においても筋肥大をもたらす。

85~90 %RM の強い抵抗運動を週2回、16 週間にわたり実施すると、筋力に加えて最大酸素摂取量が有意に増加、毛細血管密度は増加傾向、外側広筋の筋生検査で筋線維断面積が有意に増加したと Hagarman らは報告している。

この知見は、筋力トレーニングの果たす役割の大きさを示している。

後期高齢者を主眼として

Gillies らは後期高齢者に対する運動療法は筋力の改善を単独にアプローチするよりも、日常の動作能力の向上を主体とする機能的改善を目標として進められるべきであるとしている。

そして、80 歳代後半の施設入所者に1週間に2回、12 週にわたって自立した生活に必要と考えられる動作を採用したプログラムを実施し、運動群ではすべての評価項目で改善したが、運動群が対象群に比べて有意に改善したのは歩行のみであったと述べている。

高齢者への運動プログラムのポイント

  • 運動がシンプルであること
  • 空間的・時間的・経済的負担が少ないこと
  • 必要性を分かりやすく説明し、理解を求めること
  • 定期的に効果を判定し、動機付けをすること

筋力増強の実際

高齢者は加齢とともに運動量が減少し、若年者と比較して筋力低下がみられるが、疾患や外傷などにより入院し安静臥床を強いられると、二次的な筋萎縮(廃用性筋萎縮)が生じ、日常生活に支障をきたす。

しかし高齢者の場合、若年者に対するような積極的な筋力増強が行えない場合が多い。

筋力増強の効果を期待するには、ある程度の負荷をかけていく必要があるが、無理な筋力増強を行うと、過度の身体的・精神的ストレスを惹起しかねない。

問題となるのは、筋力増強の負荷量である。

高齢者の筋力増強は、低負荷・高頻度が基本とされているが、リスクが高い患者が多いため、低負荷から始め、安全に行えるかバイタル、自覚症状を確認しながら進めることが望ましい。

反復回数や頻度は多い方が筋力増強効果は期待されるが、高齢患者の場合、疲労困憊状態になるほど行うのは逆効果になることがあり、注意すべきである。

徒手的に負荷をかける等張性筋収縮を用いた筋力増強は、関節の炎症や変形がある患者では避けた方がよいが、理学療法士が一回ごとに関節の動きや筋出力を確認できるため、高齢者の運動に適しているといえる。

また、等尺性収縮運動は等張性収縮運動に比べ収縮期血圧が上昇するといわれている。

また、端座位や立ち上がりが可能となれば、体重を支持し立ち上がる動作や歩行は筋力増強の負荷になる。

日常の基本動作を利用し筋力増強していくことは臨床場面では多く用いられる。

安全を確認したうえで看護師と連携して病棟での生活の中に取り入れていくことは重要である。

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です