理学療法士による暇つぶしブログ

脱水がある患者に水を飲ませてはいけない場合があるのは、なぜ?

はじめに

脱水といえば、イメージとして身体の中から水分がなくなっていて乾燥していることを浮かべると思います。

なので、リハビリ中に水分補給を促すべきであると思っている方も多いと思います。

脱水には3種類あり、水分補給をすると余計に脱水症状を助長してしまう恐れのある種類があります。

そこで、今回はどのような脱水が水分補給をしてはいけないのかを記載していきたいと思います。

まず、脱水とは?

脱水とは、簡単に言うと「水分と電解質が失われた状態」のことをいいます。

ここがよく誤解されることなのですが、水分だけが失われた状態ではなく、同時に電解質も失っているのです。

そのため、水分だけが失われるのであれば水を補給すれば良いですが、電解質も失われるため、水の補給だけではなく、電解質も補給しないといけないということです。

出典:かくれ脱水 JOURNAL

上の図のように水分や電解質を取らない場合、もしくは体内の水分が汗や下痢として過剰に排泄されることで、脱水症を引き起こします。

では、より詳細に脱水についてみていきます。

脱水の種類

脱水は主に以下の3種類に分けられます。

  • 低張性脱水
  • 等張性脱水
  • 高張性脱水

この「~張性」というのは浸透圧のことで、低張性なら低浸透圧とほぼ同じです。

即ち血液中のナトリウム量が多ければ高張性少なければ低張性ということです。

そのため、高ナトリウム血症を伴ったものが高張性脱水で、低ナトリウム血症を伴ったものが低張性脱水となります。

この低ナトリウム血症を伴った低張性脱水が水分補給する際に注意が必要です。

水分補給に注意が必要な低張性脱水

上記にも記載しましたが、低張性脱水というのは低ナトリウム血症を伴った脱水なので、さらなる水の摂取が細胞内浮腫(特に脳内浮腫)を助長してしまう恐れがあるのです。

どういうことかと言いますと、ナトリウムは細胞外液に存在していて、細胞内・外の濃度を一定に保っています。

低張性脱水によってナトリウム量が少なくなりますと、細胞外の濃度は薄くなり、相対的に細胞内の濃度は濃くなります。

すると、その濃度差を解消するために細胞外から細胞内へ水分を移動させて、細胞内の濃度を薄くしようとします。

低張性脱水が生じただけでも、細胞内へ水分が移動して細胞内浮腫の症状が出るにも関わらず、さらなる水分を与えてしまうと細胞外の濃度はさらに薄く、細胞内の濃度はさらに濃くなり、水分がどんどんと細胞内に移動していくため、細胞内浮腫を助長してしまう恐れがあるのです。

(補足)脳内浮腫って書いてるけど、細胞内浮腫が生じるのは脳だけ?

肝臓や心臓は柔軟性があり、ある程度大きくなったり小さくなったりすることができます。

しかし、脳は頭蓋骨で覆われており、お分かりの通り骨なので硬く自由に大きくなったり小さくなったりできません。

このように硬い頭蓋骨で覆われているのにも関わらず中身(脳)が浮腫により大きくなってしまうため、脳内が圧迫を受けて障害されやすいのです。

コメディカルができる対処法

上記でも記載したように単純に真水だけの摂取は細胞内浮腫を増悪させる危険性があるため、医師と相談の上、補液するようにします。

脱水は適切な補液が行われれば、その後の合併症を発生することはほぼありません

しかしながら、脱水の影響で脳梗塞・肺梗塞、神経症状を発症することも考えられますので、処置後にはそれぞれの評価をしっかりと行って異常があればその都度、医師に速やかに報告することが求められるでしょう。

ぜひ、読みたいオススメの本!

 

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