理学療法士による暇つぶしブログ

寝返り動作時の Head Control の重要性について!!

はじめに

寝返り動作は歩行や立ち上がり動作に比べ、あまり観る機会のない動作であるためか、評価・観察することに難渋することが多いと思います。

しかしながら、寝返り動作は起き上がり動作の一要素なのでとても重要なのです。

今回は寝返り動作を遂行するにあたり、重要であろう Head Control について解剖学含め記載していきたいと思います。

Head Control について

頭頸部のコントロール」のことであって、寝返り動作では他の関節運動より先に生じるので、とても重要視されています。

寝返り動作において、頭頸部の屈曲はベッド上から浮き上がるか、浮き上がらないかの微々たるものでそれほど大きいものではないですが、とても重要な運動なのです。

なぜならば、この微々たる頭頸部の屈曲運動によって、体幹や股関節の前面筋群の活動が高まり、屈曲・回旋パターンの寝返り動作を可能にするからです。

頭頸部の屈曲とは上位頸椎?下位頸椎?

今まで複合的に頭頸部の屈曲と言っていましたが、具体的に言いますと、上位頸椎による屈曲運動が必要不可欠なのです。

上位頸椎の屈曲ができずに伸展、そして下位頸椎による屈曲運動が生じてしまうと、背筋の活動が高まりやすくなり、その結果、前面筋群の活動が高まりにくくなります。

即ち腹筋群の活動を高めることができず、収縮しにくいために屈曲・回旋パターンの寝返り動作を阻害してしまうことになるのです。

そのため、上位頸椎による屈曲運動を促さないといけないのです

上位頸椎を屈曲させる筋

主な上位頸椎屈曲筋として、

  • 頸長筋
  • 頭長筋

の2つがあります。

頸長筋について

頸長筋は下記の3つの線維に大別することができます。

  • 垂直線維部
  • 上斜部
  • 下斜部

>> 垂直線維部

第2-4頸椎の椎体前面と、第5頸椎-第3胸椎の椎体前面を結ぶもの

頸長筋 垂直線維部

Visible Body

頸長筋 垂直線維部

Visible Body

>> 上斜部

環椎前結節と、第3-5頸椎の横突起を結ぶもの

>> 下斜部

第5・6頸椎の横突起と、第1-3胸椎の椎体前面を結ぶもの

頸長筋 下斜部

Visible Body

頸長筋 下斜部

Visible Body

 

この線維走行から分かるように上位頸椎から下位頸椎へと屈曲運動を波及させることができるのです。

また、頸長筋は前斜角筋と協調して収縮することで、頸部と胸郭を連結し、上位頸椎の屈曲を可能にさせます。

しかし、頸長筋の筋力低下により前斜角筋単独の収縮だと下位頸椎の屈曲を誘導してしまい上位頸椎は伸展する方向へと運動してしまうので、やはり頸長筋は Head Control に欠かせない筋群であるといえます。

頭長筋について

頭長筋は後頭骨底部から第3-6頸椎の横突起まで走行しています。

頭長筋

Visible Body

Head Control の時に上位頸椎は屈曲しないといけませんが、抗重力で屈曲させるとき約5kg  もある重たい頭部を置き去りにしてしまうと上位頸椎の屈曲は大きく阻害されてしまいます。

そこで頭長筋の出番です。

頭長筋は頸長筋の収縮より先に収縮することで、重たい頭部と上位頸椎を連結させて頭部の重みを少なくさせているのです。

そのため、頭長筋は影ながら頸長筋の負担を少なくさせるべくサポートしているとても重要な筋なのです。

下位頸椎を屈曲させてしまう筋

ここまで、上位頸椎を屈曲させる筋のお話でしたが、最後に下位頸椎を屈曲してしまう筋について紹介したいと思います。

下位頸椎が優位に屈曲してしまうと上位頸椎は過伸展してしまうため、上記に記載の通り、屈曲・回旋パターンの寝返り動作を阻害してしまいます。

その筋こそ「胸鎖乳突筋」です。

胸鎖乳突筋は強力な頸椎屈曲作用を有していますが、上位頸椎の屈曲ではなく下位頸椎を屈曲させてしまうので、寝返り動作時の Head Control を阻害してしまいます。

この筋は頸長筋や頭長筋が弱化している場合に代償的に活動してくる筋なので、胸鎖乳突筋を緩めて、頸長筋や頭長筋の収縮を誘発してあげることが Head Control を行うにあたり必要になってきます。

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