理学療法士による暇つぶしブログ

ラクナ梗塞の疾患知識やリハビリについて解説

ラクナ梗塞の概要

脳の細い動脈(穿通枝動脈)に直径15mm未満の小さな梗塞のことをいいます。

我が国において昔は脳梗塞タイプで最多でありましたが、近年においては血圧管理の徹底により減少傾向にあります。

ラクナ梗塞のメカニズム

主なメカニズムとして以下の2つが考えられると報告されています。

  • リポヒアリン変性によるもの
  • 微小アテロームによるもの

リポヒアリン変性によるもの

高血圧(Hyper Tension)が長期に渡って続くことで穿通枝の血管壁に変性(リポヒアリン変性)が起こり、閉塞が生じるといわれています。

即ち危険因子は高血圧であり、高血圧の管理が重要になってきます。

微小アテロームによるもの

脂質異常や糖尿病により微小アテロームが形成されて、それにより血管が閉塞するといわれています。

即ち危険因子は脂質異常症や糖尿病であり、それらの管理が重要になってきます。

ラクナ梗塞の好発部位

脳の細い動脈(穿通枝動脈)が梗塞されるので、その支配している領域にダメージを受けることになります。

穿通枝動脈が支配している領域のことを穿通枝領域といい、大脳基底核や視床、橋、内包などがそれにあたります。

つまり大脳皮質に病変はないので、意識障害をはじめとする失語や失行などの皮質症状および痙攣発作などは認められません。

ラクナ梗塞の症状

比較的ラクナ梗塞は運動麻痺だけ、感覚麻痺だけなど軽症であることが多く、症状が出ないので気づかない無症候性のものもあります。

ラクナ梗塞の症状で特徴のあるものをラクナ症候群といい、現在広く知れ渡っているものとして以下の5つがあります。

純粋運動性不全片麻痺

症状
  • 対側の不全片麻痺
  • 舌の麻痺側偏移
  • 構音障害
病変部位
  • 内包後脚
  • 橋底部
  • 放線冠

純粋感覚性脳卒中

症状
  • 対側の感覚障害
  • 手口感覚症候群
病変部位
  • 視床後腹側核

運動失調性不全片麻痺

症状
  • 対側の軽い不全麻痺
  • 運動失調
病変部位
  • 橋腹側
  • 内包
  • 放線冠

構音障害-手不器用症候群

症状
  • 構音障害
  • 対側上肢の巧緻運動障害
病変部位
  • 橋腹側
  • 内包膝部

感覚運動性脳卒中

症状
  • 対側の不全麻痺
  • 対側の感覚障害
病変部位
  • 内包後脚
  • 放線冠

ラクナ梗塞の治療法

  • 血栓溶解療法
  • 脳保護療法
  • 抗血小板療法

の三本柱になってます。

血栓溶解療法

血栓や塞栓によって血管が閉塞してしまっているので、その血栓や塞栓を溶かすことで閉塞を改善する治療です。

脳保護療法

脳梗塞を発症した周囲は血流が遮断されます。

すると血流が遮断された場所では活性酸素(フリーラジカル)が作られて、周囲の細胞までダメージを与えてしまいます。

しかし、脳保護療法では活性酸素(フリーラジカル)の生成を事前に抑えることで、周囲の細胞に与えるダメージを可能な限り少なくする治療です。

抗血小板療法

血液の流れが早くなると乱流が生じ、それにより血小板が凝集してしまいます。

この血小板の凝集を主体として血栓が作られるために抗血小板療法にて血小板の凝集を抑えて、大きくなるのを防ぐ治療になります。

ラクナ梗塞のリハビリテーション

ラクナ梗塞は麻痺は軽度ですが、再発する確率が高い疾患です。

再発を繰り返すと脳血管性の認知症やパーキンソン症候群なども合併する恐れがあるため、ラクナ梗塞の再発予防を目的にリハビリテーションを実施することが求められます。

ラクナ梗塞の危険因子として、高血圧症や糖尿病、脂質異常症がありますが、どれもリハビリテーションで改善する期待があります。

どのようなリハビリテーションをすると良いかというと、「有酸素運動」です。有酸素運動とは心地の良い負荷で20分以上行える運動のことです。

また、レジスタンストレーニングも糖尿病の改善にも有用ですので、有酸素運動とレジスタンストレーニングの併用をプログラムに取り入れていくと良いと思います。

ぜひ、読みたいオススメの本!

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