理学療法士による暇つぶしブログ

最低限知っておきたい血液生化学データについて解説

血液データ

血液データ

はじめに

リハビリ専門の学校では、あまり詳しく教えられていない血液生化学データ。そのため、臨床に出てもあまり馴染みがなく、詳しく診ないのが現状だと思います。

しかし、リハビリを実施する上で、血液生化学データはとても重要な評価の一つです。

今回はリハビリを実施していく上で、必要最低限知っておきたい項目について、その意味合いとともに記載していきたいと思います。

知っておくべき血液生化学データ

必要最低限覚えておきたい項目は以下の4つになります。

  • WBC(白血球)
  • Hb(ヘモグロビン)
  • PLT(血小板)
  • CRP

これらの検査値データの解釈も覚える必要があるのですが、それと同時におおよその正常値も覚えておきたいです。

正常値を知っておくことで、異常が一目で分かりますし、正常値とどのくらい差があるのかということも理解できますから、どれだけ気を付けなければならないのかという優先順位も瞬間的に分かるようになります。

では、それぞれについてみていきましょう。

WBC(白血球)

生体に異物や細菌が侵入することで炎症が引き起こされると身体を防御するために白血球数が増えます。白血球は炎症が起きているときや細菌などによる感染を知るために重要な検査項目です。

正常値は3000~9000/μL度です。だいたい数千と覚えていますが、この数値が1万とか2万になると感染症や炎症を疑います

炎症が生じているということは細菌や異物に対して身体が戦っているので、栄養や酸素の消費が多くなり体力が通常よりも消耗しやすい状態になっています。そのため、栄養や酸素を蓄え、体力消耗を最小限に抑える必要があります。

基本的に安静が優先となりますが、担当医と相談しながら離床許可が出た場合には呼吸数、脈拍数を適宜チェックしながら段階的に離床していくことが重要になります。

Hb(ヘモグロビン)

各組織に酸素を運ぶ役割はヘモグロビンが担っています。しかし、ヘモグロビン量が減少してしまうと、全身の組織へ酸素を運搬できなくなってしまうため、貧血が生じてしまいます。

ヘモグロビンの正常値は10~14g/dLです。離床によって、負荷が加わると各組織の酸素需要が増加します。

しかし、ヘモグロビン値が低下して、貧血になると十分な酸素を組織へ運搬できないため、各組織が酸素不足へ陥ってしまいます

そのため、ヘモグロビン値が低下している患者に対して、しっかりとリスク管理をしながら離床していかなければなりません。

では、どのようにリスク管理をすればいいのかといいますと、眼瞼結膜の色を適宜観察することです。

眼瞼結膜とは、まぶたの裏のことで、ここは毛細血管に富んでいますので、ヘモグロビン量が反映されやすい場所だといわれています。

なので、しっかり眼瞼結膜色を観察しながら、離床前後で色が変化していないか診ることが重要になってきます(貧血が進むにつれて白くなります)。

余談ですが、「あっかんべー」をするときにこの眼瞼結膜を相手に見せますよね。本来は赤くなってるので、「赤(あっか)んべー」と言われたそうです。

因みに貧血が起こっていても、結膜炎などの疾患を有していた場合、眼瞼結膜は白くなりにくいため、自覚症状などをモニタリングしながら離床を進めていくことになります。目安として、ヘモグロビン値が8.0g/dL以下だと起きたくなくなるみたいです。

離床に対して拒否言動がある場合、ただ単にやる気がないだけではなく、貧血が原因でも気が滅入ってしまうので、そのような可能性を考慮することが大切になってきます。

PLT(血小板)

ケガをして出血した際に、損傷した血管内皮に接着・凝集して傷口を防ぐ、いわゆるバンドエイドのような役割を果たすのが「血小板」で、血液を凝固させて止血するのが「凝固因子」です。

この血小板値が低下してしまいますと、止血できなくなるので、出血傾向が強まってしまいます。出血傾向があると、少しの刺激でも出血や内出血が起こりやすくなります。

外部的な刺激だけでなくとも、強めのストレッチをした際に筋線維が引き離され、それにより出血しやすくなっていることも視野にいれて実施しなければなりません。

血小板の正常値は10〜30万/μLです。安全に離床を進めていくにはしっかりと除圧を図っていくことが重要になってきます。

ベッドを30°以上ギャッジアップすると身体は足の方向へずれ落ちていきます。特に60°ギャッチアップは一番摩擦やズレが起こりやすいといわれているため、注意しなければなりません。

また、身体内部のどこかで出血が生じた場合、血液中のヘモグロビンが少なくなりますので、貧血傾向を示します。

血小板値が低下していると前述した通りわずかな刺激でも出血します。その出血が目に見えれば良いのですが、身体内部で生じていて見えない場合はどんどん血液が喪われていき、貧血を引き起こしてしまう恐れもあります

そのため、やはり血小板数が少ない患者でも「眼瞼結膜」を適宜チェックして、貧血を引き起こしていないか観察することが重要です。

CRP

CRPとはC-Reactive Proteinの略称でC-反応性タンパクを表しています。タンパク質の一種でありますCRPは炎症や組織の損傷が生じた場合に血液中に出現して上昇していきます。

正常値は0.3mg/dL以下です。このCRPは炎症を表す数値なので、前述した炎症時におけるリスク管理を参照していただければと思います。

同じ炎症所見を表す白血球との違いとして、炎症が治まった場合にCRPの方が数値として下降していくスピードが遅くなることです

つまり、炎症が治まっていくと白血球数もリアルタイムに低下していきますが、CRPは炎症が落ち着いているにも関わらず上昇を示すことがあります。

例えば、5/1に白血球数は1万、CRPは6mg/dLで炎症所見を認めましたが、点滴などの治療により5/4には白血球数が5000、CRPは5mg/dLとなります。

この場合、5/4の時点では白血球数が正常値内に戻っていますので、炎症は治まってきている、今後CRPも落ち着いてくるだろうと予測を立てることができます。

よって、白血球とCRPは同時に評価をしていくことが求められます。

最後に

あまり聞き馴染みのないであろう血液生化学データについて記載させていただきました。

これ以外にも疾患別によって診なければならないデータはありますが、万人に共通してリハビリに直結する最低限診ておいた方がよい血液生化学データです。

データを診て終わりではなく、診て評価をして、そしてリスク管理やリハビリ治療にしっかり活かしていかなければ意味がありません。今回の内容で少しでも皆さまの臨床に役立てれば光栄に思います。

今後も患者様に最良のリハビリを提供できるよう一緒に頑張りましょう!

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