心室頻拍(VT)の疾患知識やリスク管理について解説

心室頻拍

心室頻拍(VT)の概要

60~100回/minの正常な心臓のリズムではなく、心室から引き起こされる心室期外収縮(PVCまたはVPC)が3連発以上(Lown分類:4b以上)出現するものを心室頻拍(VT)といいます。

Lown分類

心室期外収縮(VPC)の重症度によって分類したものです。

Grade 2の頻発性、Grade 4の連発以外の臨床的意義は最近では薄くなっているといわれています。

Grade 0:期外収縮なし

Grade 1:散発性(30個/時間 未満)

Grade 2:頻発性(30個/時間 以上)

Grade 3:多源性

Grade 4a:2連発

Grade 4b:3連発以上

Grade 5:R on T

心室頻拍(VT)の症状

心室頻拍は心拍数が増加すればするほど、左心室から血液を送り出す力が弱くなり、血圧は低下していきます。そのため、自覚症状としては血圧低下のときの症状が多いです。

具体的に、めまい・ふらつき・息切れ、時には意識消失も引き起こされます。

心室頻拍(VT)の分類

波形や接続時間、基礎疾患があるかないかを基準にして分類されます。

  1. 単形性VT
    :QRS波形が一定で同じもの
  2. 多形性VT
    :QRS波形が一定でなく変化するもの
  3. 持続性VT
    :30秒以上持続するもの
  4. 非続性VT
    :30秒未満のもの
  5. 特発性VT
    :基礎疾患(心疾患)がなく突如発症するもの
  6. 非特発性VT
    :基礎疾患を伴うもの
※基礎疾患とは、狭心症・心筋梗塞・弁膜異常などの心疾患のこと。

心室頻拍(VT)の病態

心室頻拍(VT)の病態や原因としてまして、心筋梗塞や心膜炎などを発症している、もしくは発症した場合に心室筋に変性が起こるといわれています。

つまり、この心室筋の変性によって心室内での興奮が無秩序に生じたり、リエントリーが生じてしまうことで、異常な頻拍を引き起こしてしまうのです。

心室頻拍(VT)の心電図

心室頻拍(VT)の心電図は明らかにわかるようなとても特徴的な心電図波形を示します。

心室頻拍(VT)は図で覚えたほうが賢明ですが、この心電図波形を細かく言えば、下記の3つの特徴が挙げられます。

  1. wide QRS
    :刺激伝導系を経由せずに心室内での異所性興奮が起こるためです。
  2. QRS波の規則性
    :異所性に心室が興奮しますが、それは規則的な興奮であるためです。
  3. P波の消失
    :心房性(上室性)の場合、P波は出現しますが、心室頻拍(VT)は心室起源のためにP波は消失した波形になります。

心室頻拍のリスク管理

心室頻拍(VT)は無脈性となったり、あるいは致命的な心室細動(VF)へ移行する危険性がある危険な不整脈です。

なので、リハビリ中に心電図モニターで心室頻拍(VT)の波形が出現すればすぐに中止して、医師に報告する必要性があります。

引用画像、参考書籍

1)岡庭豊(2016)「病気がみえる vol.2循環器 第3版」pp.128-129, メディックメディア. 

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