心室細動(VF)の疾患知識と再発防止策について解説

心室細動

心室細動(VF)の概要

心室細動(VF)とは、心室筋が小刻みに震えた状態になり、心拍出量が0(心停止)になる疾患のことをいいます。

つまり脳や身体などの全身に血液を送り出すことができなくなるため、数分間続くと死にいたるとても危険な不整脈のことです。

日本における突然死は、おおよそ半分が心疾患による突然死で、この原因のほとんどが心室細動(VF)といわれています。心室細動(VF)を起こすと数秒で意識を失い、呼吸が停止します。

そして心室細動(VF)発症から1分経過するごとに7%〜10%ずつ救命率が低下するといわれており、少なくとも5分以内、それもできるだけ早期の除細動が救命にとって大切といえます。

VFと生存率

通報から初回除細動までの時間と生存率との関係1)

心室細動(VF)の原因

心室細動(VF)の原因として、急性心筋梗塞(AMI)や心不全の進行によって心室細動(VF)が引き起こされたりするといわれています。

また、心疾患だけではなく体内のミネラルバランスが崩れてしまう電解質異常によっても引き起こされるともいわれています。

心室細動(VF)の治療法

前述したように治療をしなければ数分で死亡してしまうとても危険な不整脈なので、迅速な対応が求められます。

まずはBLSといって強く速い胸骨圧迫などの心肺蘇生術をすぐに開始します。このBLSでは救命時間をいくらかもたせることはできますが、これだけでは救命することはできません。

なので、除細動器(AED)が到着するまでの時間稼ぎとして実施します。除細動器(AED)が到着したら、速やかに除細動を実施します。

除細動では実施が遅れれば遅れるほどエネルギーが必要になり、成功率(救命率)も秒単位で低下していくので、何よりも優先して可能な限り速やかに実施しないといけません。

3回の除細動を行なっても心室細動(VF)が続いているのであれば、二次救命処置(ALS)も開始して、エピネフリンもしくはバソプレッシンを静脈注射します。そしてその後に再び除細動を実施します。

その全過程において未だに心室細動(VF)が続いているのであれば、アミオダロン・ニフェカラント・リドカインを静脈注射します。そしてその後に再び除細動を実施します。

心室細動(VF)の再発予防

心室細動(VF)の再発を予防するには、アミオダロンやβブロッカーなどの薬物療法に加え、再発したときのためにICD(植え込み型除細動器)の適応を検討することが重要になってきます。

ICD(植え込み型除細動器)

簡単にいいますと、体の中に常時入れておく電気的除細動器のことです。

つまり、除細動器をコンパクトにしたものを体内に留置しておくことで、心室細動(VF)や心室頻拍(VT)が発生したときに、それを自動で感知して早急に除細動を実施してくれるのです。

これは突然死のリスクが高い患者に適応となります。

ペースメーカー

VFから蘇生した患者に埋め込まれたICD1)

ICDの心電図

ICD作動の実例1)

引用画像、参考書籍

1)岡庭豊(2016)「病気がみえる vol.2循環器 第3版」p.110, pp.130-132, メディックメディア.

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