肺気胸(pneumothorax)の疾患知識と治療法について解説

気胸

肺が虚脱してしまう
気胸の概要

正常では胸腔(臓側胸膜と壁側胸膜の間)の内圧は大気圧よりも低い陰圧になっているので壁側胸膜に臓側胸膜がずっとひっついている状態です。また、肺は弾性力があるので、逆向き(しぼむ方向)の力が加わっています。

ただ、胸腔内圧が陰圧なので肺の弾性力は抑えられて、しぼまないようになっています。

しかし、何らかの原因で胸腔に空気が入って胸腔内圧が陽圧になると、臓側胸膜は壁側胸膜にひっつけなくなり、肺の弾性力は何ら変化がないので、肺の弾性力の方が勝ってしまって肺はしぼんでいきます(虚脱)。

気胸

気胸の機序1)

主なのは自然気胸
気胸の原因

原因によって、自然気胸・外傷性気胸・医原性気胸に大別されます。以下にそれぞれについての概要を書いていきます。

spontaneous pneumothorax
自然気胸の概要

明らかな原因がなく気胸が生じることを自然気胸といいます。高身長・痩せ型に好発します。男女比は7〜10:1と男性が圧倒的に多いのも特徴です。

突然の呼吸困難と胸痛によって発症して、肺胞呼吸音の減弱と声音震盪の減弱を認めます。原発性自然気胸ではブラの破裂が原因で高身長・痩せ型の男性に多く、再発率が高いです。

※ブラとは臓側胸膜の下に、ブレブとは臓側胸膜内に作られる異常な気腔のこと。これらは肺胞壁の破壊などによって作られる。臨床的には総称して「ブラ」と呼ばれることが多い。

一方、続発性自然気胸では高齢男性の喫煙家に多く認められます。肺の基礎疾患(COPDなど)が影響していると考えられています。

胸部X線では肺血管がない透過性の亢進した部分とその内側にはしぼんでしまった肺が写っています。

気胸

気胸

tension pneumothorax
緊張性気胸の概要

緊張性気胸の原因について、外傷性もしくは医原性どちらかに含まれます。交通事故などによる頭部外傷後(外傷性)や陽圧人工呼吸(医原性)などによって緊張性気胸を誘発してしまいます。

主な症状として、胸痛や血圧低下、頸静脈怒張、チアノーゼが認められます。

自然気胸と緊張性気胸の治療は同じ
気胸の治療法

気胸と診断されたら迅速に胸腔ドレナージによる脱気を行う必要があります。

※脱気とは液体から溶存気体(ガス)を取除くこと。液体とは胸水のことで、溶存気体とは空気のことと置き換えることができます。つまり、胸腔内から空気を取り除くことをいいます。
参考書籍

1)岡庭豊(2016)『病気がみえる vol.4 呼吸器 第2版』pp.290-pp.295, メディックメディア.

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