総腓骨神経麻痺とは?症状や原因、効果のある装具療法とは?

今回は術後などによく出現する総腓骨神経麻痺について記載していきたいと思います。

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総腓骨神経麻痺とは?

総腓骨神経麻痺とはその名の通り「総腓骨神経」が何らかの原因によって腓骨頸部で圧迫を受け、神経障害を来たした状態のことです。

総腓骨神経麻痺は下肢の絞扼性神経障害の中で、最も多い障害であるといわれています。

絞扼性神経障害にはそのほかに足根管症候群や梨状筋症候群などがあります。

足根管症候群
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総腓骨神経の走行とは?

総腓骨神経(L4〜S1)の親元である坐骨神経(L4〜S2)は大腿後面を下行していき、膝窩のやや上方で坐骨神経から脛骨神経と総腓骨神経に分かれます。

坐骨神経

総腓骨神経は腓骨頸部の外側をまわって下腿前面で浅腓骨神経と深腓骨神経に分かれます。

浅腓骨神経は長趾伸筋の外側縁に沿って下行していき、長・短腓骨筋に筋枝を出して、下腿外側領域の感覚も支配します。

その後、浅腓骨神経は下腿遠位 1/3 で内側足背皮神経と中間足背皮神経に分かれ、足背の大部分の感覚を支配します。

深腓骨神経は下腿骨間膜の前面で前脛骨動脈に沿って下行していきながら下腿前面筋群に筋枝を出していきます。そして、足関節前方で外側枝(筋枝)と内側枝(皮枝)となり、終わります。

総腓骨神経

総腓骨神経麻痺の原因とは?

総腓骨神経麻痺の原因で一番多いのが外部からの「圧迫」です。

総腓骨神経は腓骨頸部の外側をまわりながら下行していきますが、この腓骨頸部と外部圧迫で総腓骨神経が板挟みになって発症します。

総腓骨神経麻痺

術後などで長期間にわたり安静臥床を強いられる場合、臥位では股関節が外旋しやすいため、ベッドで腓骨頸部が持続的に圧迫を受け発症することがよくあります。

この場合、股関節を外旋しないようなポジショニングが必要不可欠となります。

その他の原因は以下の表をご覧ください。

 物理的圧迫   睡眠時
習慣的な足組み
ギプス             など
 腫瘍などに 
 よる圧迫
ガングリオン
骨軟骨腫
ファベラ(腓骨筋頭種子骨)   など
 その他 骨折などによる外傷
Charcot-Marie-Tooth病      など

総腓骨神経麻痺の症状とは?

総腓骨神経が腓骨頸部で圧迫を受けるため、それ以降の支配領域に様々な症状が出現します。

まず、総腓骨神経は前脛骨筋をはじめとした足関節背屈筋群を支配しているため、足関節背屈筋群の筋力が低下してしまいます。

足関節背屈筋群の筋力が低下すると足関節背屈が困難になるため、重力下では足が垂れ下がってしまいます。このような症状のことを下垂足といいます。

下垂足を呈してしまうと、歩行の遊脚時に床面と足底面とのクリアランス(距離)が低下して、つまずきやすくなるので、代償的に膝を高く上げて床面と足底面とのクリアランスを保とうとします。

このような特徴的な歩き方をニワトリの歩き方に似ていることから「鶏歩」といわれています。

鶏歩

また、感覚神経も障害されるため、総腓骨神経・浅腓骨神経・深腓骨神経領域である足背や下腿外側に感覚異常が出現します。

腓骨神経領域

総腓骨神経麻痺の所見とは?

検査として、Tinel 徴候や神経伸長法があります。

Tinel 徴候は腓骨頸部を打鍵器などで叩いて神経症状が放散するか確認します。

神経伸長法は総腓骨神経の走行を考慮すると足関節の内反で伸長されるため、他動的な足関節の強制内反により神経症状が出現するか確認します。

下垂足に対する装具療法の効果とは?

 

総腓骨神経麻痺による下垂足を長期間にわたり放置すると、常に足関節が底屈位になるので、下腿三頭筋が短縮してしまい、尖足変形を来してしまいます。

そのため、下腿三頭筋の短縮予防や鶏歩の改善を目的に下肢装具を検討する必要があります。

具体的な下肢装具として、シューホーンブレースなどの短下肢装具があります。

短下肢装具を装着すれば足関節の底屈が制限されますが、歩行時に下垂足によるクリアランス低下を補うことが出来るので、鶏歩を改善することができます。

今日のリハゴリ俱楽部

  1. 総腓骨神経麻痺により足関節背屈筋群の筋力が低下するため、下垂足を呈してしまう。
  2. 下垂足になると代償的に膝を高く上げてクリアランスを保とうとする鶏歩が出現する。
  3. 尖足予防や鶏歩改善を目的に短下肢装具を検討する。

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