腰椎椎間板ヘルニアとは?その原因や突出種類、画像所見とは?

今回は比較的若年者の男性に好発する腰椎椎間板ヘルニア(Lumbar disc herniation:LDH)について記載していきたいと思います。

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腰椎椎間板ヘルニアとは?

椎間板(椎間円板)は以下の2つから成り立っています。

  • 線維輪
  • 髄核

線維輪(①)とは髄核の外周を覆っている組織で線維軟骨や膠原線維(コラーゲン)からなります。コラーゲンを含んでいるため、強固な組織になります。

髄核(②)とは椎間板の中心部にあるゲル状のやわらかい組織でムコ多糖(コンドロインチン硫酸やプロテオグリカン)を含んでいます。

このムコ多糖は水分と引っ付く力が強いので、髄核には多くの水分が含まれているといわれています。

これら椎間板は脊椎運動や荷重によって形を変え、衝撃を吸収するクッションとしての機能を有しています。

椎間板には体重の約 80% もの荷重が加わっています。そのため、高齢者では椎間板の線維輪が弱化したり、破裂したりすることがあります。

椎間板が破裂すると中にあるやわらかい髄核は脱出してしまいますので、脱出した髄核が周囲にある神経を圧迫してしまうことがあります。

 

このように脱出した髄核が腰部の神経(馬尾神経や神経根)を圧迫してしまう疾患のことを腰椎椎間板ヘルニアといいます。

腰椎椎間板ヘルニアの原因とは?

腰椎椎間板ヘルニアは椎間板ヘルニアの中でもっとも頻度が高い疾患です。

主な好発は若年男性で、力学的な負荷が加わることで発症することが多いです。

代表的な力学的負荷として、「重い荷物を持ち上げること」が挙げられます。

腰椎の屈曲は椎間板の中にある髄核が突出しやすくさせます。

つまり、腰椎の伸展筋力が弱化している場合、重い荷物を持ち上げるときに中腰のような姿勢から腰椎の後屈で持ち上げようとすると腰椎の屈曲負荷に負けてしまうことで発症します。

そのため、中腰から荷物を持ち上げる際には腰椎だけに依存せず、股関節や膝関節の伸展運動も利用しながら実施することが重要になってきます。

椎間板ヘルニア

腰椎椎間板ヘルニアの好発部位とは?

腰椎椎間板ヘルニアは L4/5 間が最も多く、次いで L5/S1 間に多いとされています。

L4/5 間で約 60 %、L5/S1 間で約 35% と両者だけでも全体の約 95% を占めます。

基本的に L4/5 間であれば L5 の神経根が圧迫を受けます。

しかし、後述する外側椎間板ヘルニアの場合、L4 の神経根が圧迫を受けることになります。

椎間板ヘルニアと外側椎間板ヘルニアの違いとは?

通常の腰椎椎間板ヘルニアは後外側に突出して脊柱管内で神経根を圧迫しますが、外側椎間板ヘルニアの場合、より外側に突出して脊柱管外で神経根を圧迫してしまう疾患のことです。

L4/5 間の外側椎間板ヘルニアの場合、L4 の神経根が圧迫を受けてしまいます(下図参照)。

椎間板ヘルニア

椎間板ヘルニア

腰椎椎間板ヘルニアの画像所見とは?

腰椎椎間板ヘルニアの画像診断には腰椎エックス線と MRI(T2 強調画像)が用いられます。

まず、腰椎エックス線では「椎間腔の狭小化」が認められます。

これは椎間腔を支持している髄核が突出してしまうと椎間腔の内容物が減ってしまい、椎体と椎体の適切な距離を保てなくなるためです。

腰椎椎間板ヘルニア

次に MRI の T2 強調画像(矢状断)では髄核が後方に突出し、脊髄を圧迫している画像を捉えることができます。

また、突出せずに線維輪の中に収まっている髄核は比較的高信号域を示しますが、突出した髄核は低信号域になることも特徴的です。

腰椎椎間板ヘルニア

そして最後に MRI の T2 強調画像(水平断)では突出した髄核が椎間孔を圧迫している画像を捉えることができます。

腰椎椎間板ヘルニア

今日のリハゴリ俱楽部

  1. 椎間板ヘルニアとは線維輪が破裂することで中にある髄核が突出し、脊髄を圧迫してしまう疾患のこと。
  2. 通常の L4/5 ヘルニアでは L5 の神経根が障害されるが、L4/5 外側ヘルニアの場合 L4 の神経根が圧迫される。
  3. 腰椎椎間板ヘルニアの画像所見として、エックス線では椎間腔の狭小化、MRI T2 強調画像では脊髄への圧迫所見と突出した髄核の低信号域が認められる。

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