後縦靱帯骨化症とは?画像所見からリスクを導く方法とは?

今回は中高年者で特に頸椎に好発する後縦靱帯骨化症について記載していきたいと思います。

後縦靱帯骨化症とは?

後縦靱帯骨化症とは、椎体の後方を上下に走る後縦靱帯がなんらかの原因によって骨化してしまい、後方にある脊髄を圧迫して、神経症状を引き起こしてしまう疾患のことです。

中高年者に多いといわれていて、頸椎・胸椎・腰椎のどの部分でも発生しますが、特に頸椎に好発します。

後縦靱帯骨化症は日本人の約3%に存在することが知られており、2:1の比率で男性のほうが多いです。

遺伝的要因も関与するといわれていて、第 Ⅺ コラーゲン遺伝子の異常やその周辺部に存在する遺伝子の異常が疑われていますが、未だ解明には至っていません。

後縦靱帯骨化症は難病疾患

後縦靱帯骨化症は厚生労働省が特定疾患に指名している疾患になります。

特定疾患とは原因不明や根治療法がないような疾患のことで、研究対象となり医療施設を設備するなどの対策がとられています。

このような特定疾患は特定疾患医療受給者証が発行され、医療費自己負担額の一部や全額を負担してもらえます。

これらはあくまで医師の診断によって行われるもので、コメディカルスタッフが診断するものではありません。

そのため、後縦靱帯骨化症の所見が認められた場合でも安易に患者や家族に伝えるのは良くありません。

一度医師を介して医師の診断のもと適切な対応をしてもらいましょう。

後縦靱帯の解剖とは?

後縦靱帯(posterior longitudinal ligament)は頸椎から仙椎までの椎体後面(脊柱管前面)に沿って上下に走行する靱帯のことです。

上部は後頭骨斜台に付着し、下部は仙骨の前壁後面に付着して下方にいくほど靱帯幅は狭まります。

また、後縦靱帯は線維輪にも付着しており、線維輪の補強もしています。

ここで重要なのは黄色靱帯とともに後縦靱帯は脊柱管内に存在するということです。後縦靱帯

後縦靱帯骨化症の症状とは?

後縦靱帯骨化症が頸椎に発生するのか、胸腰椎に発生するのかで症状は異なってきます。

頸椎に発生した場合、頸髄が圧迫されるので頸髄症状が出現します。

具体的には上肢・下肢の筋力低下や感覚障害、腱反射異常、膀胱直腸障害などです。

胸腰椎に発生した場合、胸髄や腰髄症状が出現します。

具体的には下肢の筋力低下や感覚異常、腱反射異常、膀胱直腸障害です。

後縦靱帯骨化症の画像所見とは?

後縦靱帯骨化症の画像評価ではエックス線・CT・MRI を用いて行います。

エックス線や CT では後縦靱帯の骨化程度、MRI では脊髄圧迫の評価を行います。

ワンポイントアドバイス
エックス線や CT では骨化病変の描出に優れていて、MRI では脊髄病変の描出に優れています。

エックス線所見とは?

後縦靱帯骨化症

CT 所見とは?

後縦靱帯骨化症

MRI 所見とは?

後縦靱帯骨化症

後縦靱帯骨化症のパターンとは?

 

後縦靱帯骨化症には骨化巣の形態にパターンがあって、それがリハビリや治療方針に重要な所見となります。

その形態パターンとは以下の3つに分けられます。

  • 連続型
  • 分節型
  • 混合型
  • 限局型

後縦靱帯骨化症

引用:遠隔画像診断.jp

リハビリにおいて重要なのは「連続型」のパターンです。

連続型は見てのお分かりの通り一塊になって上下に連なって走っています。

そのため、脊椎運動時に病変部位直下の脊椎に過剰な負荷が加わるため、注意が必要です。

例えば上図の場合だと C2〜C6 まで後縦靱帯が骨化しています。

そのため、頸椎の過剰な運動を行うと C2〜C6 は動きにくいため、病変直下の C7 が不足分を補うように過剰に動いてしまうのです。

 

よって、連続型の後縦靱帯骨化症において脊椎運動を行う際には愛護的に実施する必要があります。

今日のリハゴリ俱楽部

  1. 後縦靱帯骨化症とは後縦靱帯が原因不明に骨化することで脊髄を圧迫し様々な脊髄症状が出現する病態である。
  2. 画像所見では骨化病変の描出はエックス線や CT を、脊髄病変の描出は MRI を用いて評価する。
  3. 連続型の後縦靱帯骨化症の場合、脊椎運動は愛護的に実施する必要がある。

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