心不全とは?どんな負荷が心不全を引き起こしてしまうの?

今回は多数の原因疾患がある心不全について記載していきたいと思います。

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心不全とは?

心不全(HF:heart failure)とは心臓の障害によってポンプ機能が低下し、全身の臓器に必要な血液を送り出すことができなくなった状態のことをいいます。

ポンプ機能の低下によって心拍出量は低下しますので、末梢循環不全や肺や体静脈系のうっ血を引き起こしてしまいます。

心不全とは「病名」ではなく、ポンプ機能が低下することで最終的に陥ってしまう「症状」のことを指します。

この心不全は大まかに左心不全と右心不全があり、それぞれ症状が全く違うことが特徴的です。

左心不全の症状についてはこちらをご覧ください。

参考

左心不全,症状,メカニズム
左心不全の症状とは?メカニズムから症状を理解する

参考

左心不全,症状,メカニズム
右心不全の症状とは?様々な症状が出現する理由とは?

心不全の原因とは?

心不全の原因には心臓の障害によるものが多いですが、それ以外に肺や膠原病、糖尿病などによっても引き起こされてしまいます。

4大原因 心疾患 肺疾患 その他
虚血性心疾患 先天性心疾患 COPD 糖尿病
弁膜症 心タンポナーデ 肺塞栓症 貧血
高血圧症 心筋炎 肺高血圧 膠原病
心筋症 薬剤

心不全の発症機序とは?

 

心不全になる原因はわかりましたが、ではなぜそれらによって心不全を引き起こしてしまうのかメカニズムを記載していきます。

前負荷と後負荷

心臓にかかる負荷のことを心負荷といいますが、この心負荷は前負荷と後負荷にわけられます。この心負荷が心不全に大きく影響してしまいますので、とても重要な知識になります。

まず、前負荷とは、心室が収縮する前に心室に加わる負担のことです。

つまり、心室が拡張している時に心房から血液が流入してきますが、この心房からの流入量のことを前負荷といいます。

前負荷が増大しているということは、心室へ流入してくる血液量が多いということになります。

次に後負荷とは、心室が収縮している時に心室に加わる負担のことです。

つまり、心室から血液を送り出すときには末梢血管抵抗に打ち勝たなければなりません。そのため、それに打ち勝つために必要な圧力のことを後負荷といいます。

後負荷が増大しているということは、末梢血管抵抗が増大しているということになります。

  • 前負荷:流入血液量
  • 後負荷:末梢血管抵抗

前負荷が増大した場合

前負荷が増大した場合、つまり心室へ入ってくる血液量が増大するので、それに伴って心臓を大きくさせなければいけません。

そのため、心臓は代償的に下図のように拡張し、そしてその分収縮して拍出させていきます。

右心不全

このような状態が長期にわたって続くと、心臓は「締まり」が悪くなってビロンビロンと伸びたゴムのようになってしまいます。

これは収縮能低下という状態ですが、ビロンビロンと伸びたゴムは縮こめる力(収縮力)が弱くなってますので、十分に収縮できない結果、拍出量を維持できなくなります。

後負荷が増大した場合

後負荷が増大した場合、つまり末梢血管抵抗が増大するので、それに伴って心臓の収縮力を強めなければいけません。

心不全

心臓の収縮力を強めるということは心筋に対する負荷が強くなりますので、長期に渡れば心筋は「マッチョ」になってしまいます。

マッチョ(心肥大)になると良いイメージがありますが、心筋の壁が硬くなってしまうので十分に拡張できなくなるのです。

すると拡張期に拡張できなくなり、十分な拍出量を維持することができなくなります。

整理すると
  • 前負荷が増大した場合には「ビロンビロン」になって収縮能が低下する。
  • 後負荷が増大した場合には「マッチョ」になって拡張能が低下する。

今日のリハゴリ俱楽部

  1. 心不全とはポンプ機能低下によって生じる「症状」のことである。
  2. 心不全の原因として、虚血性心疾患・弁膜症・高血圧症・心筋症がほとんどを占める。
  3. 前負荷とは流入量のことで、多くなると収縮能が低下し、後負荷とは末梢血管抵抗のことで、増大すると拡張能が低下する。

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