低カリウム血症とは?リハビリでどんなことに注意すれば良い?

今回は低カリウム血症について記載していきたいと思います。

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カリウムの役割とは?

カリウム(K)は細胞内のおける重要な陽イオンで、体内に存在するカリウムのほとんどが細胞内に存在しています。

細胞内に存在することで、神経や筋の興奮や情報伝達の作用を有しています。

そのため、カリウム濃度に異常がでると意識障害や筋力低下・脱力、不整脈、心電図異常など様々な症状が出現してしまうのです。

カリウム

低カリウム血症とは?

低カリウム血症とは、体内のカリウム濃度が少なくなった状態のことです。

血液検査で血清カリウム濃度が「3.5mEq/L」より少ない場合に診断されます。

ただし、炎症などで白血球が著明に増加している場合、採血後の試験管を室内に放置している間にカリウムが細胞内に取り込まれる現象が生じて、見かけ上のカリウム数値が低くなることもあります。

このことを「偽性低カリウム血症」といい、血液データの解釈に十分な注意が必要です。

低カリウム血症の合併症とは?

低カリウム血症の合併症として、以下の2つが訓練をするにあたって重要な症状になります。

  • 不整脈
  • 筋力低下・脱力(周期性四肢麻痺)

低カリウム血症

今回はその中でも不整脈の出現する機序について記載していきます。

不整脈が出現する理由とは?

 

不整脈にはいろいろな種類がありますが、低カリウム血症で代表的な不整脈として、「QT 延長症候群」というものがありますので、それについて解説していきます。

まず、QT 延長症候群とは心電図上の QT 間隔が延長する状態のことです。QT 間隔とは心室の興奮が回復するまでの時間を示していますので、心室回復が遅れることがこの疾患の特徴です。

この QT 延長症候群は torsades de pointes という特殊な心室頻拍(VT)もしくは心室細動(VF)などの重症不整脈を引き起こしてしまう疾患です。

QT延長症候群
QT延長症候群(LQTS)の疾患知識について解説

 

電解質( K イオン、Na イオン、Ca イオン)が細胞に出入りすることで、電位差(電気刺激)が発生し、心筋は収縮することが可能になります。

つまり、電解質異常を起こすと心筋収縮を起こせなくなり、不整脈や最悪の場合、心停止に陥ることもあります。

K イオンは細胞内外をどのように移動する?
基本的に細胞内外の K イオン濃度勾配によって移動していきます。濃度勾配による移動とは、濃度(高)→濃度(低)ほうに移動することをいいます。つまり、K イオンは細胞内の濃度のほうが高いので細胞内から細胞外へ絶えず移動し、静止膜電位(-70mV)を保っているのです。

では次に心筋細胞の興奮メカニズムについて記載していきます。

心筋は Na イオンが細胞内に流入してくることで脱分極(興奮)し、K イオンが細胞内に流入してくることで再分極(弛緩)します。

心電図で表すと、QRS 波が Na イオン流入による脱分極、T 波は K イオン流入による再分極となります。

低K血症

しかし、低カリウム血症は細胞外の K イオン濃度が低い状態なので、脱分極のあとに再分極しようと思っても K イオンが細胞内へ流入しにくい状態なのです。

そのため、心室の再分極が遅れて、心電図上で QT が延長してしまうのです。

低カリウム血症では QT 延長症候群をはじめとする不整脈が出現する可能性があるので、橈骨動脈を触知して、脈のリズムを確認することが重要になります。

今日のリハゴリ俱楽部

  1. 体内において、K イオンは細胞内に多く、Na イオンは細胞外に多く存在している。
  2. 低カリウム血症の合併症に、不整脈と脱力・筋力低下がある。
  3. 低カリウム血症では細胞外の K イオン濃度低下により、細胞内への流入時間遅延により心筋の再分極が遅れ QT 時間が延長してしまう。

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