【試験対策】気管支・肺胞の解剖学的な特徴とその覚え方について

この記事では3学会合同呼吸療法認定士の出題範囲である「気管支・肺胞の解剖学的特徴とその覚え方」について分かりやすく解説しています。

記事の最後に復習として、過去問も用意していますので、ぜひ解いてみてください。

※過去問は「呼吸療法認定士予想問題集(通称:青本)」、「呼吸療法認定士再現過去問集」をもとに作成しています。これらの過去問は呼吸療法認定士認定試験を受験された方々からの意見・情報をもとに作成されたもので、同一問題が出題されるとは限りませんので、予めご了承ください。

気道と肺胞

呼吸器は空気の通り道である気道(上気道・下気道)とガス交換を行う肺胞(呼吸領域)で構成されています。鼻腔から喉頭までを上気道、それより末梢の気管、気管支、細気管支を下気道と呼んでいます。細気管支とは、終末細気管支までなのか、呼吸細気管支までなのか悩むところですが、通常、解剖学的には呼吸細気管支までを下気道と呼ぶみたいです。

ただし、呼吸細気管支はガス交換も行われていますので、下気道と呼吸領域どちらも合わせもっていると考えたほうが良いですね。

気道

 

引用:ヤクルト中央研究所

気管・気管支の解剖学

気管・気管支の解剖学的な問題はよく出題されますので、しっかりと覚えておきましょう!

気管の解剖学的位置と長さ・内径

気管は第6頸椎下縁の高さで喉頭の輪状軟骨の下端から始まって、第4−5胸椎の高さで左右に主気管支に分岐します(この場所を気管分岐部という)。気管の始まりから気管分岐部までの長さは成人で約10−12cm、乳幼児で4.5−5cm、新生児で約4cmであり、筒のような管状の形をしています。

また、門歯から気管分岐部までの長さは成人男性で26cm、成人女性で23cm、乳幼児では約10cmとなっています。気管の内径は成人で16.5mm、乳幼児で9.4−10.8mm、新生児で5mmといわれています。

気管の長さや内径に関する知識は気管挿管時の気管チューブの長さや内径を決定する上でとても重要になります。

気管の解剖学的特徴

気管には馬蹄形の気管軟骨が存在しています。

馬蹄形とは?
馬のひづめに似た形のこと。

その気管軟骨は気管の前壁から側壁にかけて存在しており、幅は3−4mmで16−20個もあります。気管軟骨は気管の後壁には存在しておらず、平滑筋から作られている膜様部で覆われています。

そのため、下図のように気管の形は綺麗な円型ではなく、後方が開いているC字・U字型になります。

気管軟骨

気管軟骨は弾力性がありながら硬くなっていますので、気管が潰されることなくその形状を維持することができるのです。

左右主気管支のなす角度

気管分岐部において、左右の主気管支がなす角度の合計は約70度です。

しかし、左右35度ずつと同じような角度ではなく、左右差があるのが特徴的です。その角度とは、右側は約25度で左側は約45度となっていて、右側のほうが左側と比較して垂直に近い形状になっています。

気管分岐部

引用:DEROSA SKとRNC7乗りの日記

そのため、気管に入った混入物は右側の気管支に入りやすくなっています。混入物だけではなく、気管の深くまで挿入された気管チューブも右気管支に入りやすいのです。また、右主気管支のほうが短くてやや太くなっています。これも右気管支に混入物が入りやすくなる特徴なのです。

左のほうが太ければ、左主気管支にも平等に混入しやすくなるのに。。

気管分岐部

まとめると、左肺に比べて右肺のほうが誤嚥性肺炎を起こしやすい構造になっているということです!

主気管支からの分岐路

主気管支→葉気管支→区域気管支→亜区域気管支→小葉気管支→細気管支→終末細気管支→呼吸細気管支→肺胞管→肺胞嚢

このような順番で分岐を続けて、最終的には肺胞嚢となりガス交換をしています。

主気管支〜(肺)葉気管支

右主気管支は肺の中に入ってから、上葉気管支を分岐して中間気管幹となってから、中葉気管支と下葉気管支に分岐します。

一方、左主気管支は肺の中に入ってから、上葉気管支と下葉気管支に分岐します。右肺には上葉・中葉・下葉の3つ、左肺には上葉・下葉の2つの肺葉があります。上葉には上葉気管支、中葉には中葉気管支・・・・とそれぞれの肺葉に分布するのが(肺)葉気管支です。

気管分岐図

 

引用:滋賀県立成人病センター

葉気管支〜区域気管支

それぞれの肺葉に入った気管支は各肺葉で区域気管支(B1〜B10)に分岐して、肺区域内に分布しています。

肺区域とは?
右肺には上葉に3つ(S1・S2・S3)、中葉に2つ(S4・S5)、下葉に5つ(S6〜S10)の合計10個あります。一方、左肺には上葉に4つ(S1+2・S3・S4・S5)、下葉に4つ(S6・S8〜S10)の合計8個あります。

肺葉

 

引用:人間ドックの評判とホントのところ

この区域気管支はさらに2回分岐を繰り返して、肺小葉に分布する小葉気管支になります。

小葉気管支〜終末細気管支

小葉気管支→細気管支→終末細気管支という順番で分岐していきますが、広義ではこの3つをまとめて細気管支と呼ばれることもあります。小葉気管支は細気管支として、分岐を繰り返しながら、気道の終点である終末細気管支になります。

この終末細気管支1本が分布する肺のことを細葉(肺の最小単位)と呼びます。細葉が数個から数十個ほど集合したものが肺小葉になります。肺小葉は直径約2cmの多角形の底面をしていて、肺門部を頂点とした円錐の形をしています。

終末細気管支~呼吸細気管支

終末細気管支は2回の分岐を経て、呼吸細気管支になります。冒頭でもお伝えしたように呼吸細気管支からはガス交換にも関わってくる部分になります。呼吸細気管支になってから、1回もしくは2回の分岐をして、合計2本もしくは4本の枝で構成されています。

気管支

 

引用:認定講習会テキスト

呼吸細気管支~肺胞管~肺胞嚢~肺胞

1本の呼吸細気管支から通常は3本の肺胞管が分岐します。その肺胞管の端っこからは肺胞嚢が3つ飛び出して終わります。呼吸細気管支までは管のような形でしたが、肺胞嚢からは「嚢胞構造」というブドウの房のような形をしていて、これらは複数の肺胞から形作られています。

肺胞嚢

気管支の分岐と特徴

 

これからお伝えする内容は医療系の国家試験でもよく出題されるテーマです。例えば、「細気管支に気管支軟骨はあるか?」「終末細気管支に線毛は存在するのか?」などといった問題です。

まずは下の表をご覧ください。

気管支の分岐と特徴

これを覚えるとなると、寒気がしますよね。でも覚えれることは覚えておいた方が試験のときに後悔しませんので、頑張って覚えましょう!

ただ、そのまま覚えるのも時間がかかりますので、語呂合わせを紹介したいと思います。

軟骨・粘液腺・線毛・平滑筋(語呂合わせ)

下表の赤色とオレンジ色の交差するところから覚えていきます。

気管支 ゴロ

小気管支までは骨と液腺・毛・滑筋はある

 

【覚え方】

賞金何年先輩ありがとう!!

ただの紐先輩

 

賞金:小気管支

何:軟骨

年:粘液線

先:線毛

輩:平滑筋(ぱい→ぺい→平 みたいなイメージ)

あり:ある

次に細気管支と終末細気管支の語呂合わせ。

気管支 ゴロ

気管支と末細気管支は、骨・液線なし、毛・滑筋はある

 

【覚え方】

最終便、ないねん先輩ありがとう。

なぜ感謝してるのか。

 

最:細気管支

終:終末細気管支

ない:軟骨

ねん:粘液線

(ないねん:軟骨・粘液線ない)

先:線毛

輩:平滑筋

あり:ある

最後にガス交換系の語呂合わせ。これは語呂合わせしなくてもガス交換系は平滑筋だけある!と覚えたほうが早いかもしれません。

気管支 ゴロ

呼吸細気管支・肺胞・肺胞は、骨・液線・線毛なし滑筋はある。

 

【覚え方】

コサックダンスの勘の悪さは何年もせんから常心で行け!

コサックダンスってなんだろう。。

 

コサック:呼吸細気管支

勘:肺胞管

の:肺胞嚢

何:軟骨

年:粘液線

も:線毛

せんから:なし

平:平滑筋

ちなみに栄養血管は呼吸細気管支あたりから気管支動脈→肺動脈に変わりますので、同時に覚えておきましょう。

過去に出題された問題

【問1】

門歯から気管分岐部までの長さは成人男子で何cmか。

 

  1. 16cm
  2. 20cm
  3. 22cm
  4. 24cm
  5. 26cm

 

解答を表示する

【問2】

誤りはどれか。1つ選べ。

 

  1. 気管軟骨は16〜20個
  2. 気管軟骨は幅が3〜4mm
  3. 気管の内径は成人で17mm
  4. 気管の長さは成人で10〜12cm
  5. 気管分岐部における左右主気管支の角度は左右同じ

 

解答を表示する

【問3】

正しいのはどれか。

 

  1. 気管軟骨は10〜12個
  2. 成人の気管の長さ16〜20cm
  3. 成人の気管の内径17mm
  4. 成人男性の門歯から気管分岐部までの長さ26cm
  5. 呼吸細気管支の分岐数は17〜19回

 

a.①②③ b.②③④ c.③④⑤ d.①②⑤ e.①④⑤

 

解答を表示する

c.③④⑤

【問4】

気管について正しいのはどれか。

 

  1. 左右主気管支は右が長い。
  2. 上気道とは門歯から咽頭までをいう。
  3. 第4-6胸椎で左右に主気管支が分岐する。
  4. 気管に入った異物は右気管支に落ち込みやすい。
  5. 呼吸細気管支は終末細気管支よりも末梢にある。

 

a.①②③ b.②③④ c.③④⑤ d.①②⑤ e.①④⑤

 

解答を表示する

c.③④⑤

【問5】

気管について正しいのはどれか。

 

  1. 気管軟骨は気管の前面にはない。
  2. 右肺には区域が9つある。
  3. 肺小葉は直径5cmである。
  4. 肺動脈は気管支に併走する。
  5. 気管を横断面でみると馬蹄形である。

 

解答を表示する

【問6】

線毛があるのはどれか。

 

  1. 主気管支
  2. 小葉気管支
  3. 終末細気管支
  4. 呼吸細気管支
  5. 葉気管支

 

a.①②③ b.②③④ c.③④⑤ d.①②⑤ e.①④⑤

 

解答を表示する

d.①②⑤

【問7】
粘液腺がないのはどれか。

 

  1. 主気管支
  2. 小葉気管支
  3. 終末細気管支
  4. 呼吸細気管支
  5. 葉気管支

 

a.①② b.②③ c.③④ d.④⑤ e.①⑤

解答を表示する

c.③④

【問8】

気管支軟骨を有するのはどれか。

 

  1. 区域気管支
  2. 細気管支
  3. 終末細気管支
  4. 呼吸細気管支
  5. 肺胞管

 

解答を表示する

【問9】

気管について正しいのはどれか。

 

  1. 気管支の分岐は第4−5胸椎の高さ
  2. 気管軟骨は12−16個
  3. 肺小葉は細葉が30個集まったものである
  4. 肺胞管に肺胞嚢が付いている
  5. 肺葉気管支より末梢で膜様部は消失する

 

a.①②③ b.②③④ c.③④⑤ d.①②⑤ e.①④⑤

 

解答を表示する

e.①④⑤

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です