【試験対策】肺血管・気管支血管の解剖学的な特徴について

この記事では3学会合同呼吸療法認定士の出題範囲である「気管支・肺胞の解剖学的特徴とその覚え方」について分かりやすく解説しています。

記事の最後に復習として、過去問も用意していますので、ぜひ解いてみてください。

※過去問は「呼吸療法認定士予想問題集(通称:青本)」、「呼吸療法認定士再現過去問集」をもとに作成しています。これらの過去問は呼吸療法認定士認定試験を受験された方々からの意見・情報をもとに作成されたもので、同一問題が出題されるとは限りませんので、予めご了承ください。

肺の血管支配

肺は肺循環系と大循環系の2つの循環路から血液をもらっています。肺循環系はガス交換に関わる肺動脈・静脈のことで、大循環系とは気管支や肺実質を栄養する気管支動脈・静脈のことです。

POINT
肺の栄養血管は気管支動静脈、機能血管が肺動静脈になります!

肺循環系

全身から戻ってきた二酸化炭素いっぱいの静脈血は右心房右心室の順に流れ込みます。

次に右心室から肺動脈へ血液が流れ、肺毛細血管となって肺でガス交換(二酸化炭素を出して、酸素を取り込む)が行われます。ガス交換が終わった後の肺毛細血管は酸素に満ち溢れていて、肺静脈左心房左心室の順番で酸素いっぱいの血液が移動していきます。

そして、左心室が強く収縮することで、酸素いっぱいの血液を脳や全身に送り込みます。

一連の流れはこんな感じです。

肺循環系

 

引用:看護roo![カンゴルー]

あと、肺循環系を図式化したものをよく見ると思いますが、簡略化のために肺が真ん中に1つしか描かれてないことがあります。

肺循環系

なので、肺動脈も1本しかないと思い込んでしまいますが、それは間違いです。肺は左右1つずつあるので、肺動脈も左右1本ずつ存在します!右心室から出る肺動脈は1本で肺動脈主幹といいます。ただ、肺動脈主幹として肺まで走るのではなくて、すぐに左右に分かれます。

下の図のような感じに。

肺動脈主幹

 

改変引用:Wikipedia

なので、右心室から出る肺動脈は1本ですが、肺へ行く肺動脈や肺毛細血管は左右1本ずつあるということをお間違えなく!

肺静脈の特徴

本来、動脈と静脈はお互い並んで走行していますが、肺の血管だけ並んで走行していないのです。肺静脈は酸素で満たされた肺毛細血管から血液をかき集めながら肺門部へと走っていきますが、このとき気管支や肺動脈と並んで走行せずに単独で走行しています。

では、どこを走っているのかというと、気管支と気管支の間にある小葉間や区域間を肺門部に向かって走っているのです。肺静脈だけ例外的に肺動脈や気管支と伴走しないため、このような知識はしっかりと押さえておく必要があります。

POINT
肺動脈と気管支は伴走するが、肺静脈だけ単独走行しており、肺動脈や気管支とは伴走しない。

大循環系

 

冒頭で述べたように気管支動脈・静脈はこの大循環系に分類されます。大循環系というだけあって、気管支動脈は下行大動脈から分かれていきます。

ただし、全員が下行大動脈から分岐するというわけではなくて、まれに上部肋間動脈や左右の鎖骨下動脈から分かれていく人もいるみたいです!上部肋間動脈はまれレベル、左右鎖骨下動脈は極めてまれレベルです。

大循環系

気管支動脈の特徴

気管支動脈は下行大動脈から分かれたあと、左右に2本ずつ、合計4本の枝を出していきます。その気管支動脈の枝は気管支に沿って肺へと入っていき、気管支〜細気管支までの気管支壁に分布して、気管支を栄養しています。気管支動脈の血流量は健常者で心拍出量のだいたい1〜2%程度です。

ただし、気管支拡張症や肺炎などの炎症性疾患では気管支動脈が拡張して血流量が多くなるので、1〜2%よりも多くなります。

気管支静脈の特徴

気管支静脈は気管支動脈によって運ばれた血液を心臓へ戻す役割があります。どのように心臓へ戻るかといいますと、気管支静脈の血液が肺静脈へと入ることで、そのまま左心房へ血液を返しているのです。

しかし、気管支静脈の走行は未だ分からないことが多いみたいです。

過去に出題された問題

【問1】

血管系について誤りはどれか。

 

  1. 肺静脈は気管支に伴走する。
  2. 肺静脈は小葉間を肺門にむけて走る。
  3. 肺静脈は肺動脈よりも血管が厚い。
  4. 肺動脈は右心室より肺動脈主幹として出る。
  5. 気管支動脈の血液量は健康人では心拍出量の10%である。

 

a.①② b.②③ c.③④ d.①⑤ e.④⑤

 

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d.①⑤

【問2】

次のうち正しいのはどれか。

 

  1. 安静呼気時、胸腔内は陽圧になる。
  2. 左主気管支は上葉気管支と中間気管支に分岐する。
  3. 気管支動脈は下行大動脈より分岐し、まれに肋間動脈から分岐することもある。
  4. 気管支静脈は左心に還流する。
  5. 肺動脈は肺胞の栄養血管である。

 

a.①② b.②③ c.③④ d.④⑤ e.①⑤

 

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c.③④

【問3】

肺血管系について誤りはどれか。

 

  1. 肺静脈の走行は気管支に伴走する。
  2. 肺静脈は左右の肺からそれぞれ上下の太い肺静脈とし、左心房に入る。
  3. 気管支動脈の多くは下行大動脈、または上部の肋間動脈から分岐する。
  4. 気管支静脈は気管支動脈によって運ばれた血液を戻すための血管である。気管支静脈の血液の一部は肺静脈に入り左心に還流する。
  5. 気管支動脈は心拍出量の1〜2%の血流量がある。

 

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